8月の住宅価格指数は対前年比で下落傾向

10月25日にS&Pケース・シラー住宅価格指数およびFHFA住宅価格指数の8月分が発表されました。
(「S&Pケース・シラー住宅価格指数とFHFA住宅価格指数の違い」についてはこちらから
次のグラフはS&Pケース・シラー住宅価格指数(対前月・季節調整済み)です。8月発表分は6月・7月・8月の3ヵ月の平均となっておりますが、6月の実績には4月に契約された分も一部含まれております。
8月は対前月比-0.86%と2か月連続の下落かつ2010年2月以来となる下落幅となりました。
ケース・シラー住宅価格指数の参考都市すべてにおいて下落しましたが、その中でもサンフランシスコ(-3.7%)、シアトル(-2.9%)、サンディエゴ(-2.5%)が最も下落幅が大きかった都市です。サンフランシスコにおいては2022年5月から-8.2%も下落しています。
FHFA住宅価格指数は、全米において対前月比-0.7%、対前年比+11.9%という結果になりました。
7月の実績が対前月比-0.6%であったので下落幅はほぼ変わらない状態ですが、2か月連続の下落は2011年3月以来となりました。FHFAのエコノミストは、昨今の住宅価格の下落は住宅ローン金利の上昇による買い圧の低下が主な要因であると述べています。次のグラフは2020年8月~2021年8月(青棒)と2021年8月~2022年8月(赤棒)における各地域の住宅価格指数(対前年)の伸び率です(一番左が全米の数値)。今回の+11.9%という数値は昨年度の18.6%と比べると小さく、FHFAの指数も住宅価格が下落基調にあることが示されています。